月に約束する promise the moon 2018 4 28

 よく朝鮮半島の「非核化」ということが語られますが、
そもそも、核兵器を安全に解体する技術がある国は、
アメリカとロシアだけです。
 もし、北朝鮮が本気で核兵器を放棄するつもりならば、
その核兵器をアメリカやロシアへ搬出する必要があります。
 しかし、北朝鮮には、全く、その気がありません。
なぜならば、北朝鮮は、「ウクライナの悲劇」を知っているからです。
(以下の「ウクライナの不満」を参照)
 ところで、「promise the moon」とは、直訳すれば、
「月を与えると約束する」となりますが、
意訳すれば、「実現性がないのに、大きな約束をする」という意味です。

ウクライナの不満 2015 2 14

 国際政治の評論家である日高義樹氏は、著書で、こう述べています。
「ウクライナの非核平和外交は、無力だった」
 1994年12月5日、ウクライナは、
ソ連から分離独立した時に保有していた1900発の核弾頭を、
ロシア側に引き渡す条約に調印した。
 この条約は、核拡散防止条約の一部として取り扱われ、
アメリカとイギリスが、
核兵器がなくなったウクライナの安全を保障することになっていた。
 つまり、この条約は、核兵器を引き渡す代償として、
アメリカによってウクライナに安全と平和が与えられるというものだった。
 これで、ウクライナは、核兵器を持たず、
日米安全保障条約のもとで安全を保障されている日本と同じ立場になったのである。
(中略)
 しかし、2014年、ロシアがウクライナのクリミア半島を占領した直後、
ウクライナ議会の議員は、アメリカのテレビに出演して、こう述べた。
「我々は、1994年の取り決めに基づいて核兵器を諦めたが、
あれは大きな間違いだったと、多くの人々が考えている」
(引用、以上)
 それでも、ウクライナは、こう言うかもしれません。
「あの条約は、何だったのか」と。
 これに対しては、あの条約には、「有効期限」があったと考えるべきです。
アメリカで政権が変われば、有効期限が到来するというものです。
 このような約束は、プレイボーイが耳元でささやく甘い約束のようなもので、
それを信じたウクライナは、愚かだったのです。

















































































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